NK細胞用いたがん治療の臨床研究
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を用いたがん免疫細胞療法の臨床研究が開始される。同社の独自技術で培養したNK細胞を標準治療では対応できない消化器がん(胃がん, 大腸がん, 食道がん) の患者に反復投与して、がん治療効果と安全性を評価するのだ。
NK細胞はウイルス感染や細胞のがん化から生体を防御する働きを持つことが判っている。たんぱく質や抗体と遺伝子組み換えたんぱく質「レトロネクチン」を併用する培養法で培養したT細胞を利用することで、約90%と高純度のNK細胞を大量に培養できるのだ。 NK細胞が、がん細胞株に対して細胞障害活性を持っていることは既に確認されており、マウスを用いた動物実験でもがんの縮小とがん転移抑制作用を示すことも確認できている。
臨床試験は、約2年間、2014年3月31日まで実施し、培養免疫細胞を用いたがん免疫細胞療法の効果が検証される。試験の実施主体は、タカラバイオと京都府立医科大学の共同。
さらには、NK細胞だけでなく、今後は、ナイーブT細胞、抗体医薬との併用などでより効果的な治療法の開発が期待される。