2012年4月5日木曜日

新しい免疫療法とは

2011年のノーベル医学・生理学賞は「樹状細胞の発見とその働き」へ授与された。この「樹状細胞」は、がん細胞を攻撃する役割のリンパ球にがんの印を教えて、より正確にがんを攻撃するように指令を出す司令官役を果たすのだ。最近はテレビや新聞などのマスコミでも取り上げられるなど、その「樹状細胞」を利用したがん治療には高い関心が寄せられている。

がん患者のなかには、手術や抗がん剤治療などを受けながらも「他の治療法がない」「副作用がつらい」など、治療の悩みを抱えている患者が多い。自己免疫力を高めて、 がんを攻撃する「がんワクチン」治療を受ける患者が増えているそうだ。

樹状細胞を用いたがんワクチン治療は、「樹状細胞ワクチン療法」と呼ばれている。大腸がんや胃がん、肺がんなど、幅広い部位のがんを対象としているこの治療は、がん細胞だけを攻撃することを目的とする。正常な細胞はほとんど傷つけないので、副作用が少ないのが特徴とされる。