がんの骨転移で生じる骨病変を抑える新薬が発売された。
がんが骨に転移して起きる骨病変は、病的骨折などの危険を伴う。
骨転移は前立腺がん、乳がん、肺がんの三つのがん患者に多く発生する。
新薬は「分子標的薬」で、骨を吸収する破骨細胞の活動を活発化させる仕組みを妨げ、骨の破壊を防ぐ効果がある。多発性骨髄腫の骨病変にも適用できる。
発売された新薬は、デノスマブ(製品名 ランマーク、販売会社 第一三共)。1カ月に1度、皮下注射する。
がんの骨転移で生じる骨病変に対しては、骨粗しょう症治療に使われる骨吸収阻害剤ビスフォスフォネートしかなかった。比較試験で新薬デノスマブは、ビスフォスフォネートを上回る効果が確認された。