「膵臓がん」は、国内で年間2万8000人以上の命を奪っている。胃や大腸などの他の臓器と違い、腫瘍の発見が遅れがちで、また悪性度が高いため最も治療が困難ながんなのだ。
一般的に膵臓がん診断後の手術適用は2割程度。その手術も、膵臓が他臓器や太い血管と神経に隣接しているため非常に難易度が高い。一歩間違えば患者は術中に命を落とし、一見うまくいったかに見えた術後にも激しい下痢や栄養不良に悩まされるといったことも起こる。膵がん患者の命とQOL(生活の質)を確保することは非常に困難なのだ。
膵臓がんは、診断された時点で局所に がん が留まっていることが少なく、他臓器へ転移しているゆえに、いわば全身病なのだ。しかも、膵臓がんには有効な抗がん剤が少なく、また他のがんで効果のある分子標的薬も、有望な新薬はまだ登場していない。
さらに、がん患者が高齢で合併症を持つ症例も多いため、さらに難易度は高まってしまう。
大腸がんなどによる転移性肝がんや原発性肝がん、胆管がん、胆嚢がんの手術も積極的に行っている経験ある病院・医師による治療が重要でなのだ。
転移癌(がん)、再発癌(がん)、末期癌(がん)、全ての癌(がん)には生還者がいる。何を食べ、何を飲み、どう過ごして、癌(がん)を克服したのか。癌(がん)治療の最新情報を日々発信!!
2012年4月4日水曜日
膵臓がん手術が困難な理由
2012年4月3日火曜日
がん再発の仕組み解明で新薬開発へ
がん再発防止にがんが生き残る仕組みを解明
現在のがん治療は抗がん剤地路湯や放射線治療によって、がん細胞を死滅させるのが主流だ。しかし、がん幹細胞が生き残れば、がん細胞が再び増殖することが多く、がん患者は常にがん再発に脅かされていた。がんが再発するのは がんの基となり、体内でがん細胞を造り続ける「がん幹細胞」が存在するからである。乳がんが治療の10~20年後に再発する原因は、抗がん剤も放射線も効かないがん幹細胞が存続し続けることにある。
今回は、体内のがん幹細胞が生き残るのに必要なタンパク質を自ら分泌していることが発見された。細胞膜に「ヘレギュリン」と呼ぶたんぱく質が付くと、がん細胞内の遺伝子に信号が伝わり、NFκ(カッパ)Bという物質が増加することでがん増殖やがん転移に適した環境を整えていた。実際に再発率の高い乳がん患者ではヘレギュリン濃度が高い傾向があるのだ。
抗がん剤や放射線治療でもなかなか死滅しないがん細胞では、この特定のたんぱく質が細胞膜にくっつき、がん増殖やがん転移、がん再発を起こし易くなっていると断定された。
この がん細胞が体内で増殖能力を維持する仕組みを妨害できれば、全く新しい乳がん治療法が開発できだけでなく、がんの再発をも高い確率で防止できるのだ。
東京大医科学研究所の後藤典子准教授(がん生物学)らのチームが乳がん患者から手術で摘出したがん細胞を培養し、観察した結果、発見した。研究の詳細は、2日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表された。
がん治療分子標的薬の副作用対策
がん治療に用いられる分子標的薬とは、従来の抗がん剤のように正常細胞にも打撃を与えることで脱毛や吐き気などの副作用を起さず、 がん細胞に特有の分子をピンポイント攻撃することで、がん細胞の成長を止めたり、殺したりする。特定の分子を狙うため、がん細胞の遺伝子のタイプによって効果の有無が違う。
分子標的薬は、がん細胞を増やしたり、がん組織に血管を引き込んだりする特有の分子(主にタンパク質)の機能を止めて、がんの成長を抑える。大腸がんの治療では、がん増殖に関わるタンパク質の働きを抑える分子標的薬が、四年前から複数登場。手術が難しいがんや再発がんの治療に使われ、生存期間の延長に著しい効果が得られている。
がん細胞だけ狙って攻撃する新しいがん治療薬「分子標的薬」は、大腸がんや肺がんなどのがん患者への治療効果が極めて高く、新薬も相次いで登場している。
しかし、分子標的薬は、まだ発展途上であることから、皮膚細胞など正常な細胞も一部攻撃してしまうことへの周知が浅い。分子標的薬特有の副作用が出やすい薬も複数あり、対策が課題になりつつある。
分子標的薬の標的となるタンパク質が皮膚や爪を作る細胞にも存在するために、これらの細胞も同時に薬の打撃を受け、副作用が皮膚などに炎症として出るのだ。腎臓がんや肝臓がんの薬ネクサバールは、手足の皮膚が腫れて痛む「手足症候群」が出やすい。また、慢性骨髄性白血病の薬グリベックは、かゆみを伴う赤い発疹が出やすい。
分子標的薬の副作用で最も多いのは、顔などに出るにきびのような発疹。新しい皮膚がうまく作れないため皮膚が薄くなって乾燥し、かゆみがひどくなったり、指先が割れて痛んだりする。酷い場合には、手足の爪の周りが腫れ、靴を履くことや手仕事が難しくなる場合もある。
皮膚障害の治療法はほぼ確立されているので、早めに正しい処置で対処することで治療を継続できる。にきびのような発疹には炎症を抑える効果を期待してミノサイクリンなどの内服抗生剤やステロイドの塗り薬を使う。適切な薬や保湿剤を使ったスキンケアに努め、日焼け止めや、炎症を抑えるステロイド薬を塗ることで、皮膚障害の重症例の発生が大幅に減るのだ。爪の周囲に炎症が起きた場合には、皮膚科医によるテーピングで痛みを和らげられる。また、足が腫れて痛みのある場合には、履物選びでも症状が改善し、がん患者の生活の質が大幅に上がることもある。
最も重要なのは、症状が出てから対応するより、分子標的薬を投与する前日から内服抗生剤を飲むことだ。
「分子標的薬は、皮膚障害が強いほど生存期間が長い」との研究報告が複数ある。副作用を抑えることで、がん治癒に対する抗がん剤の効果を少しでも享受するのだ。
2012年3月30日金曜日
最新鋭設備の前立腺がん手術
ロボット支援前立腺全摘除術
前立腺がんの手術は、従来型の開腹手術と最新のロボット手術で患者の負担が大きく違う。
従来の開腹手術で前立腺がんを手術すると出血は平均500~600ccだが、ロボット手術では100cc程度で済む。体を大きく切らないので手術後の回復も早く、2日目で歩行開始、7日目の退院が可能。
しかも、先進医療としてロボット支援前立腺全摘除術は、4月1日から保険適用となった。これまでは全額自己負担の高額医療だったために、自己負担が約140万円も必要だったので、 前立腺がんを患う患者には福音と言える。
ここでロボット手術とは?
ロボット手術とは全自動で機械が手術するものではなく、いわば執刀医の手術補助システムというのが妥当だろう。患者に開けた小さな穴から4本のロボットアームを患者の体内に挿入して施術する。ロボットアームの先端には、それぞれに内視鏡や超音波メスなどが装着されいて、手術台横のコンソールに座る執刀医師が操作するのだ。ここで、内視鏡から送られる画像は、3Dハイビジョンの高画質で、医師は画像をビューワで見ながらコントローラを操作することで、ロボットアームがその動きを再現するという仕組み。
高画質の内視鏡は最大15倍までズーム拡大が可能で、しかもビューワ内の画像は立体的な3D。手術処置している所に執刀医自身の目があるかのような感覚で操作が可能なのだ。さらに、執刀医の指が5cm動いても手術器具は1cmしか動かない。人間の指先の震えさえもロボットアームへの伝達時に取り除いてくれることで、精度が高くなる。
前立腺がんは、神経や血管を温存する緻密な手術が、手術後の排尿・性機能を大きく左右するため、精度の向上は大変な進歩なのだ。
この前立腺がんを高精度に執刀できるロボットは、米国製で「ダヴィンチ」。既に米国では前立腺がん根治手術の90%はこのロボット「ダヴィンチ」で手術されているが、日本国内の導入台数は2011年にようやく30台を超えたばかり。また、経験を積んでいる病院は多くないため、 100例以上の実績を持つ病院は稀少なのだ。
保険適用を機に、今後の前立腺がんの手術は日本でもロボット手術が標準となることは間違いない。
2012年3月29日木曜日
前立腺がんの予防食
日本の伝統的な食事の重要性
前立腺がんを予防できる食事は、ずばり日本食だ。
つい数十年前まで日本人の前立腺がんの発症率は、欧米人に対してわずか4%程度だった。しかし、食文化の西洋化が進んだ近年は著しい増加傾向となっている。
中高年の男性に発症しやすい前立腺がんの要因は、加齢に伴って女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスが崩れることが原因とされている。
このホルモンバランスを調整するのが、日本の伝統食、中でも豆類に含まれるイソフラボンという成分。大豆は、ファイトケミカルの一種の“イソフラボン”は、大豆に多く含まれることから、毎食に大豆が原料の味噌汁を飲み、おかずに大豆製品である豆腐や納豆から自然と摂取されていたのだ。
しかし、現代の食生活では、大豆製品を通じてイソフラボンを得る機会が大幅に減ってしまった。毎食摂取する必要はないものの、納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品は積極的に摂ることで、前立腺がんの予防には極めて有効。その他にも高い抗酸化作用があるリコピンを豊富に含むトマトなども、前立腺がんの予防に有効だ。
日本食は、前立腺がんだけでなく、乳がんの予防に優れた効果のある食品、積極的に取りべきだ。
2012年3月28日水曜日
難治性肝臓がんの新治療法
難治性肝臓がんの生存率改善 微小球放射線塞栓療法
結腸直腸がんの患者の約半数でがん転移が発生し、 がん原発部位から主に肝臓へとがんが広がってしまう。患者の約90%が、最終的にはがんの広がりによる肝不全のために死亡する。結腸直腸がんは、2008年に米国で15万3000人、欧州では33万3000人が発症している。食生活に密接したがんで、アジアでは韓国での発症例が多い。日本にも食の西洋化が進展したために、非常に発症の多いがんである。
この結腸直腸がんに多い転移した肝臓がんに新しい治療方法の研究が進んでいる。
新しいがん治療方法は、放射線塞栓療法。選択的体内照射療法(SIRT)とも呼ばれ、放射性物質(イットリウム)の微小球(SIR-スフェアズのマイクロスフェア)を使って治療する新たな大腸がん治療手法だ。微小球は放射線医が体内に設置し、健康な肝臓組織には影響を与えずに選択的に腫瘍に照射する。
この新治療法を推進しているのは、オーストラリアはシドニーのセント・ビンセント病院。研究結果は腫瘍外科学会の第65回年次がんシンポジウムで発表されたが、治療の難しい肝臓がん患者が放射線塞栓療法で生存率が大幅に改善したとされた。
新しいがん治療法の研究対象となったのは、化学療法が難しいとされた肝臓がん患者が中心の463人。
結腸がん・直腸がんから肝臓がんにがん転移した251人の患者のうち、放射線塞栓療法を受けた220人の患者の平均生存期間は11.6ヶ月。これに対し標準的または最高の支持療法を受けた31人の患者では6.6ヶ月。
その他の適用例は、胆嚢がん(41)神経内分泌がん(40)肝細胞がん(27)すい臓がん(13)乳がん(11)胃がん(9)その他のがん(71)などから転移した肝臓がん患者212人。 SIR-スフェアズ微小球による治療を受けた180人の患者の平均生存期間は9.5カ月だったが、標準的または最高の支持療法を受けた32人の患者では2.6カ月だった。
以上より、放射線塞栓療法は、転移した肝臓がんに対して、従来のがん治療法よりも2倍~3倍の生存期間の向上と、大幅な病状改善に効果があると結論された。
今後は、放射線塞栓療法の評価についてさらに大規模の治験を実施しつつ、さらに肝細胞がんについても試験が行われる予定だ。
2012年3月27日火曜日
肺がん治療の最新鋭システム
がんを日帰りで治療する超高精度スナイパーマシン
新世代の放射線がん治療機器「サイバーナイフ」を用いたがん治療が拡がっている。
「サイバーナイフ」は大掛かりな がん治療システムだ。
「サイバーナイフ」の放射線発射装置である「リニアック」は、先端から放射線をがん細胞に向けて発射する最小5mmの放射線ビームを放つ。これは世界最小クラスの細さのビーム口径である。
横たわるがん患者の周囲を「リニアック」が 1200通りの角度と方向からがん細胞に向かって細い放射線ビームを照射する。様々な方位から細くがん細胞だけを狙い打つことで、正常細胞のダメージを最小化しつつ、がん細胞だけが繰り返し放射線を照射される治療法なのだ。
もう一つのサイバーナイフの特色が呼吸で動くがんの自動追尾機能だ。呼吸によって、肺だけなくがん患部も微妙に動くが、このがん患部の動きに合わせて放射線も動きながら照射するのだ。
追尾する情報は、天井に取り付けられた3台のカメラからの情報から分析される。 X線カメラが2台と、赤外線カメラが1台。
患者は、体の動きが少なくなるように固定用マット敷いたベッドに横たわり、 LEDライトをお腹に装着する。
体内のがんを直接に見ているのではなく、がん細胞の至近に「金マーカー」と呼ばれる目印が入れられている。太さ1.1mm、長さ5mmの微小な「金マーカー」が呼吸に合わせてがんと同じ動きをするのを、 X線カメラが追尾する。
金マーカーのトレースはX線カメラで行われるが、 X線を患部周囲へ投影し続けるのは放射線被爆となるので望ましくない。そこで体に害の無い赤外線カメラでLEDライトと金マーカーの距離と呼吸による動きの相関を調べることで、呼吸によって動きがん患部の位置を補足し、トレースし続ける。サイバーナイフによるがん治療は1回30分間程度で、入院の必要も無い。 2週間で計4回程度の治療となる。
1.5cmの肺がんが、1ヵ月後にはがんが消えた例もある
サイバーナイフで治療が可能ながんは、今のところ肺がん、脊椎がん、脳腫瘍などである。
残念ながら放射線に弱い粘膜を持つ消化器系のがんには使えないために、胃がん、大腸がん には使えないのだ。
しかし、海外では乳がん治療にサイバーナイフを利用して効果が上がっているとの報告もある。今後は、乳がん に続き、肝臓がんやすい臓がんの治療への応用に強い期待が寄せられている。
がんは切らずに、日帰り治療で治す時代はもうそこまで来ている。