2012年1月30日月曜日

がん転移を抑制するアレルギー利用の新治療法

アレルギー起こしがん抑制 「もろ刃の剣」細胞作用 富山大グループが発見

肺に多く存在する細胞が、アレルギー発症の原因となるタンパク質の一種を恒常的に生産する一方、がんの転移を抑える働きをすることを富山大大学院医学薬学研究部などの研究グループがマウスによる実験で突き止め、30日までに米免疫学会の医学誌に掲載された。人体にとって「もろ刃の剣」となるこの細胞のメカニズムを解明、調整できれば「アレルギーだけでなく、がん治療につなげることが期待できる」(高津聖志・富山大客員教授)としている。


 研究グループはマウスを使って調べた結果、免疫にかかわるリンパ球の一種「T細胞」とは別に、好酸球を活性化させるタンパク質の一種「インターロイキン5(IL5)」をより多く生み出す「原始IL5産生細胞」が肺や腸に存在することを確認。必要に応じてこの細胞の活動を抑える方法が見つかれば、アレルギー治療法の開発にもつながるという。


2012年1月30日 産経ニュース