2017年2月26日日曜日

成分99%が水の健康食品販売で逮捕者

昆布由来の機能性成分「フコイダン」の健康食品を販売していた会社社長が、警視庁に逮捕された。

フコイダンは、まだまだ新しい機能性成分であり実績に乏しい。しかも、それを純度がわずか1%の商品にしてしまっては効果は望み薄だろう。

同じような背景の健康食品に、黒酵母ベータグルカン(アウレオバシジウム培養液)があるが、こちらは98%が水。つまりは純度が2%程度の製品となっている。50歩100歩と言えよう。

「癌に効く」と宣伝している製品は「に効かない」という矛盾も直視しつつ、機能性健康食品は、機能性成分の含有量=純度をしっかりと見極めて購入する必要がある。

2017年2月24日 健康食品「いき水」の販売で逮捕

承認を受けていない健康食品を”医薬品”として販売した埼玉県の65歳の会社社長が警視庁に逮捕された。当該健康食品は成分の「99%以上が水」で、警視庁が詳しい経緯を調べている。

逮捕されたのは埼玉県入間市の健康食品会社を経営する大場秀樹容疑者(65)で、警視庁の調べでは、国から承認を受けていない健康食品を医薬品として販売した疑いによる、医薬品医療機器法違反の容疑。

警視庁によると容疑者は、海藻のぬめり成分を濃縮したという「いき水」という液体が、患者の白血球を活性化させることで、免疫力があがり (がん)にも効く」として医薬品のような効果を宣伝していた。

成分の99%以上が水の「いき水」は5本で1万2500円。で、これまでに全国47都道府県の1600人に1万7000本が販売されていた。

2017年2月22日水曜日

機能性表示食品にβグルカン成分が拡大

パン酵母や黒酵母、キノコ類、さらには大麦、オーツ麦などに含まれる多糖類群の機能性成分を指す「βグルカン(ベータグルカン)」。

欧米では食品の機能表示が先行していたため、2000年代から米国のアメリカ食品医薬品局(FDA)や欧州食品安全機関(EFSA)が、「冠動脈疾患リスク低減」、「コレステロールや血糖値の上昇抑制」に関して、の高い機能性があることを紹介していた。

特に純度が高いパン酵母由来のβグルカンに関しては、「免疫サポート」「抗がん剤の副作用低減」など多岐にわたる機能性が注目され、各種研究機関による多くのエビデンス(検証結果の証拠)が広く認知されている。

日本国内でもようやく始まった「機能性表示食品制度」では、大麦由来βグルカンを関与成分とした商品の「コレステロール低下」の機能性が訴求され、大塚製薬やはくばく、永倉精麦などがで届出て商品が販売されている。

以降、スーパーマーケットなどでも“大麦βグルカン”の文字が並ぶようになり、「βグルカン」が消費者の目に触れる機会は急激に増加した。

このような状況下に、パン酵母系のβグルカンを取り扱う企業の中には、「免疫領域」での届出を目指す動きが出てきたことは特筆されるべきだろう。パン酵母のβグルカンの歴史は案外と古く、「生体防御機能」や「腸管免疫機能」に関連する機能性研究が数多く実施されているのだ。

「機能性表示食品制度」においては「免疫」に関しての直接的な表現は難しいため、「抗疲労」や「抗ストレス」などの表現が模索されている模様だ。

このようなβグルカン(ベータグルカン)の機能性表記が許可されたならば、これを追い風に、βグルカンの市場拡大が拡がることで利用者の拡大が見込まれている。

がんに効く機能性表示食品」が流通する日も近いかもしれない。

2017年2月15日水曜日

がんの最新治療法「光免疫療法」

光免疫療法とは、がん細胞だけに付着する色素を導入した抗体を投入しておき、体外から近赤外線の照射することでがん細胞だけを破壊する新しい治療法だ。

近赤外線は無害であり、正常細胞が痛まないことから、副作用も無い。

米国のアスピリアン・セラピューティクス(カリフォルニア州)が開発中で、この新治療法を活用すれば、正常細胞を損ねることなく、転移したがん細胞までも破壊できる。

副作用が少なく、有効性の高いがんの新治療法・新薬の早期開発に期待が高まっている。

2016年3月17日木曜日

バクテリアから がん新薬

がんを治療できるバクテリアが、2015年11月に米国シカゴ大学で発見された。

シカゴ大学で発見されたバクテリアは、マウスの胃腸に存在するバクテリアの一種で、「皮膚がん」に対して有効であるされた。これは免疫療法の一種として研究されており、バクテリアは皮膚がんの成長抑制に関しては従前の免疫療法と同レベルの効果が確認された。さらに、ビフィズス菌の投与とバクテリアによる免疫療法を併用した場合は、皮膚がんであるメラノーマの成長をほぼ止めらたのである。

他方、フランスでも、ある種のバクテリアには免疫応答療法を活性化させる効果があることが発表された。

これらは、「マイクロバイオーム」と呼ばれ、多くの製薬会社が一斉に注目する分野となったのだ。

一昔前までなら「消化器官内のバクテリアが免疫系で重要な役割を果たしている」などとは信じようのない暴論だったのだが、今では多くの免疫学者にとっての常識へと変わった。

バクテリアの免疫治療の研究は順調だが、まだ治療の効果が一時的であり、長期間でも持続した効果が得られることが目標となっている。そのため、製品化にはまだ5年以上が必要とも言われている。

しかし、バクテリアやマイクロバイオーム、免疫治療の相関に対する注目は高まっており、2015年1月には新薬を熱望するネスレが、バクテリアを利用した消化系に効果的な治療法を開発する企業へ6500万ドル(約74億円)を投資した。


by ZEISS Microscopy


2015年にはスタートアップのVedanta Biosciences社が、ジョンソン・エンド・ジョンソンと炎症性腸疾患に関するマイクロバイオーム薬のライセンス契約を結んだ。大手の製薬会社もバクテリアを利用したがん治療へ、大きな期待を持っているのだ。

2015年11月には、スタートアップの4D Pharma PLC社が乳がん・肺がんに有効なバクテリア薬での動物実験に成功した。4D Pharma PLC社では、人間への臨床試験を2016年から開始する見込みで、これによって、同社が集めた出資金は1億4000万ドル(約160億円)を超えたのだった。

フランスでは、ENTEROME社がバクテリアの分泌物を使った新しいがん治療法を開発中だ。こちらも大きな注目を集めたことから、2016年3月中に1500万ユーロ(約19億円)の融資が行われる予定なのだ。

「ある患者にとっては有効だが、別の患者には有害になる」という薬害問題が新薬には付いて回る。しかしも、人間のマイクロバイオームは多様であるため、免疫療法の効果は一卵性双生児に対してさえも差が生じることが知られている。

無数にあるバクテリアの中からがん治療に有効なものを特定することは困難であり、さらに効果が発揮されるに最適なバクテリアの量を特定することも容易ではない。今後の課題は多いものの、

将来的には、酵母抽出ベータグルカンが普及したのと同様に、がんの予防や治療に効果のあるバクテリアを含む食品やサプリメントが発売される可能性は高い。


by University of Michigan School of Natural Resources & Environment

2016年2月16日火曜日

最新の すい臓がん治療法

すい臓がんの、しかもステージ4末期のすい臓がん患者を治療できる新しい治療法の臨床試験が日本でも開始されている。

すい臓がんの新しい治療法は、『ナノナイフ治療』(別名:不可逆電気穿孔法)。
体外から がん患部へ針を刺し、針の先端に短時間だけ3000ボルトの電流を通電させる治療法だ。

治療対象のすい臓がんは周辺の胃や十二指腸などの臓器が入り組んでいることが旧来法の手術を困難にさせていた。

しかし、ナノナイフ治療では身体表面から超音波画像で探りながら、胃や十二指腸を貫通してがん患部へと針を通すのだ。がん患部に取り囲むように設置された治療針の先端に電気を短時間だけ流す。電気が流れるのは針の先端1.5cmだけで、対になったプラスの針の先端からマイナスの針の先端へ3000ボルトの高電圧で1回あたり1万分の1秒という短時間だけ電気が流される。

この通電を80回から160回行うと、がん細胞にナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の穴が開くことで、中の細胞質が溶け出しがん細胞が死ぬのだ。

既に実施された末期のすい臓がんの治療結果は8例中6例でがんが縮小する成果が得られた。

先行する米国でのナノナイフ治療は 当初は肝臓がん治療に治療されることから始まった。その後拡張されたすい臓がん治療例は200例を超えており、50例でがんが縮小し手術が可能となった。残る150例でも生存期間が2倍となる効果が確認されている。また再発率が3%と低く、すい臓にがんを留める効果(局所制御能)も確認されている。

末期のすい臓がんでも治療が可能な『ナノナイフ治療』は、日本では東京医科大学が臨床試験を進めている。

近い将来には、肝臓がん、すい臓がんの治療に留まらず、肺がんや前立腺がん、腎がんの治療へと適用対象が拡大が見込まれる。末期すい臓がんでも治療法はあるのだ。

2016年1月31日日曜日

がん細胞1個分だけの放射線照射治療

副作用の無い最新の放射線がん治療法の最終の臨床試験(治験)が開始される。

開発された新がん治療法は「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」。従来の放射線治療は、放射線をがん細胞へ照射しても周辺の正常細胞までも痛めてしまうために副作用が必ず発生した。しかし、新しい治療法では、患者へ照射するのは体への影響が少ない「中性子線」なのだ。「中性子線」ではがん細胞も正常細胞もほとんど傷つかない。

新治療法は、がん細胞に取り込まれやすいホウ素薬剤が、中性子が当たると核分裂し、放射線を発する現象を利用している。この放射線は細胞一個分程度の範囲を出ないため、がん細胞だけが放射線で駆逐されるのだ。

ホウ素薬剤を癌患者に点滴すると、がん細胞へ薬剤が取り込まれ、そこに中性子が照射されるとがん細胞内部から放射線が発生し、癌細胞が死滅する。これだと正常細胞はほとんど傷つかないことから、副作用も殆ど発生しないのだ。治療対象のがんは、脳腫瘍をはじめ、将来的には、肺がん、胃がん、前立腺がん、大腸がん、子宮がん、あらゆるがんの治療を目指している。

実際のがん患者への治験は、国立がん研究センター中央病院(東京都)と総合南東北病院(福島県)、大阪医科大(大阪府)の3病院で2016年1月から開始される。

治験では、悪性脳腫瘍を再発したがん患者へ新治療法が実施される。その結果から、治療効果を検証し、早ければ5年後に入院費などの一部に保険を使うことができる「先進医療」の認定を目指すという。

副作用の無い新がん治療法への期待が高まっている。

2013年11月20日水曜日

すい臓がん,肝臓がん,肺がん,乳がんに効く食品

米国のロバートHルリーがんセンターが、発見したすい臓がんに効く食品は、「ナマコ」。

ナマコは英語で"Sea cucumber"つまり「海のきゅうり」と呼ばれるが、日本では中華料理の食材として知られている。

中国では何百年も前からナマコを漢方薬として利用してきたが、その効果は関節炎や炎症性疾患、頻尿、強壮(ED)だった。

米国での実験では、 膵臓(すいぞう)がんのがん細胞に、ナマコのエキスを掛けたところ、がん細胞の増殖が止まっただけでなく、 5分以内にがん細胞が全て死滅したのだ。

また、乳がんの細胞に対しては、ナマコが免疫システム中の細胞を活性化して、乳がん細胞を攻撃することが確認された。

これらの実験によって、ナマコのガン治療への効果が判ったのだ。

これらの抗がん効果は、ナマコに含まれている「フロンドシドA」という成分が有効であると判った。ナマコのフロンドシドAは、 95%の乳がん細胞、90%の黒色腫細胞、90%の肝臓がん細胞、 88%の肺がん細胞を死滅されることが実験で確認されており、副作用も無い。

現在では、ナマコの抽出液はサプリメントとして、液体や粉末化されて抗がん剤治療に利用されている。