2012年2月27日月曜日

最新胃がん手術法で機能温存

胃がん手術でも機能温存の最新内視鏡治療手術「ESD」
日本人の部位別がん罹患数で上位にくるのが、胃がん。胃がんは進行すると、手術ができたとしても半分以上の胃を切除することになり、身体への負担も大きくなる。早期の場合なら、従来の内視鏡治療が進化した「ESD」という新しい治療方法が確立され、保険適応にもなっているのだ。
胃がん手術に適用される最新内視鏡手術は、「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と呼ばれる。適用は、胃等の消化管にできた早期がんが中心だ。従来の「EMR(内視鏡的粘膜切除術)」と呼ばれる胃がん内視鏡手術よりも比較的範囲の広い病変を確実に一括切除することができるtめ、胃がん再発のリスクも少なくできる。ESDによる胃がん手術は、約2~3時間程度が完了。手術は鎮静剤が処置されて寝ている間に終わってしまう。しかし、翌日から食事が可能で、入院期間も一週間程度で済む。 胃がん最新内視鏡治療手術「ESD」の最大の特徴は、”胃の機能が温存されるので生活の質が保たれること”。
胃がん最新内視鏡治療手術「ESD」の適応となる早期胃がんは、自覚症状が殆ど無いため、健康診断等で発見する必要があることが課題だ。

前立腺がんリスクが1.2倍

前立腺がんの発症に関わる4つの遺伝子多型を新たに発見
-日本人・日系人の前立腺がんをゲノムワイドで遺伝子多型(SNP)関連解析

前立腺がんは、世界中でもっとも発症率の高いがんとして知られています。人種、食事、体内のホルモン環境などがその発症要因に挙げられています。人種別では、アフリカ人、欧米人、アジア人の順で発症率が高く、欧米では男性のがんによる死亡者の約20%に達し、トップを占めるといわれています。また、食事の面では、高脂肪の食事や乳製品の摂り過ぎが発症のリスクになるとされています。アジア人には比較的少ないがんといわれていますが、日本でも食生活の欧米化や高齢化に伴い患者数が増え続けており、2020年には2万人を超えるという予測もあります。

一方、遺伝的な要因についての研究も進み、前立腺がんの発症に関係する多数の遺伝子や一塩基多型(SNP)が発見されています。ゲノム医科学研究センターの研究者らを中心とした国際共同研究グループは、日本人と、米国カリフォルニアやハワイに在住する日系人を対象に大規模なゲノムワイドSNP関連解析を行いました。その内訳は前立腺がん患者群7,141人と対照群 11,804人です。米国在住の日系人を対象に加えたのは、遺伝的にはほぼ同じ人種でも居住地域を変えた場合に食生活や環境の要因が変わる可能性があり、その影響をみるためです。

SNP関連解析の結果、日本人の前立腺がんと関連がある新たな4つのSNPを発見しました。4つのSNPを持つ人は持たない人と比べ、前立腺がんの発症リスクが1.15~1.2倍に高まることが分かりました。さらに4つのSNPについて詳しく調べた結果、そのうちの1つはビタミンK依存的に働く酵素であるGGCX(γ-カルボキシラーゼ)の発現に関わり、GGCXは ビタミンKの助けを得ながら前立腺がんの増殖を抑制することが分かりました。

こうした研究成果から、前立腺の発がんには、遺伝的な要因とビタミンKなどの食生活(環境要因)とが複雑に関わっていることが分かりました。これらの研究成果は、日本人の前立腺がんの発症リスク評価や予防法の開発に貢献するものと期待できます。 

2012年2月27日 プレスリリース

2012年2月24日金曜日

がん転移を予防する飲み物

お茶でがん、老化を防ぐ

お茶には渋みや苦味がありますが、実はこれらの成分が健康によいのです。代表的な成分は、お茶の渋みや苦味の原因になっている「カテキン」です。

がんの発生や増殖を抑制
 お茶の機能性として最もよく知られているのが、がんに対する作用です。がんは発がん性物質が人の体内のDNAを傷つけて細胞に突然変異をおこし、がん細胞が増えて多くなる(これを「増殖」といいます)ことで発生します。お茶のカテキンには、発がん開始や促進を抑える作用、がん細胞の増殖阻止する作用があり、さらにがんの転移を抑える作用もあります。
血管の病気を予防
たばこの吸い過ぎや激しすぎる運動、お酒の飲み過ぎなどは、人のからだに活性酸素を発生させ、コレステロールや中性脂肪などの脂質が酸化する過酸化脂質を増やします。これにより、体内の細胞が傷つけられ、血管の病気などもおこりやすくなります。緑茶カテキンは、動物実験において、ビタミンEに比べ、体内に作られた過酸化脂質を強く抑える優れた機能をもつことがわかりました。カテキンは、自らが活性酸素をとらえる役割を果たし、老化の防止などにも役だっています。
花粉症も抑制
花粉症には「甜茶」が有名ですが、最近では、緑茶のカテキンも花粉によるアレルギー症の症状をやわらげる効果があることがわかりました。 お茶には健康によい成分がたくさん含まれているのです。

2012年2月23日木曜日

副作用が無い新放射線治療の普及

次世代がん治療普及へ筑波大ベンチャー

がん細胞を中性子ビームで狙い撃ちする次世代がん治療(BNCT)の治療システムを製造販売するベンチャー企業が4月に筑波大学に設立される。治療技術のある同大の研究者が経営に携わり、治療装置や治療に必要なソフトをまとめたシステムを製作し、全国に販売する計画。同技術による治療施設は国内100カ所程度見込まれ、市場性が高い。ベンチャーは、「切らない、痛くない、副作用がない」といわれる放射線治療の普及に一役買う考えだ。

筑波大発ベンチャーは「株式会社アートロン」。同大陽子線医学利用研究センターの熊田博明准教授らが経営する。

同大の研究開発によるがんの治療法「中性子捕捉療法」を基に、放射線計測装置や患者位置の制御装置、治療計画など各種ソフトを商用化し、治療システム「ツクバプラン」として各医療機関や研究機関に売り出す。治療について人材の育成もサポートしていく。

治療法の特許や知的財産権は筑波大が管理し、同社は使用許諾契約を結び、販売事業を行う。

同治療法による治療施設の建設や装置の製造は現在、産学官一体で全国4カ所(茨城、福島、京都、東京)で計画が進められている。大学や国・自治体が治療施設を整備し、装置メーカーが装置を製造。ベンチャーは、装置に組み込むシステムを提供する。

BNCTは一般の陽子線治療よりも治療費や施設建設コストが低く、施設は将来的に国内100カ所程度が見込まれる。新会社はこれらの施設や、国内400機ある現行のエックス線治療施設などにもソフトの納入を目指していく。

BNCTの施設として、東海村に「いばらき中性子最先端医療研究センター(仮称)」が整備される。小型加速器を使って病院内設置に適したBNCT用の中性子発生装置も製作するという。

治療体制は、2015年までには臨床研究や治療の開始、先進医療の承認を目指す。

熊田准教授は「実際の治療用に、個々の患者に適した治療条件を予測するソフトを製作し、世界基準を目指す。普及により多くの患者の治療に役立てられる」と目標を示した。

2012年2月12日

2012年2月22日水曜日

脳腫瘍、皮膚がんの難治がんへ新型治療機器

悪性脳腫瘍やメラノーマ(悪性黒色腫)など浸潤性や多発性のがんに対して、有効な治療法に有望な新技術が開発された。
周囲の正常細胞に影響することなく、がん細胞だけも細胞レベルで破壊できる特徴を持つ治療法は、「ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)」だ。
BNCTは、治療に際して中性子を発生させることが不可欠で、この中性子発生に「原子炉」が必要だったために都市部への設置は事実上困難だったのだ。新開発された中性子発生装置は、原子炉無し中性子を発生できるため、費用も安く、都市部の病院へも設置が可能となる。
難治性がんへのBNCTの有効性は、古くから日本で研究が継続されており、この中核技術の開発で劇的にがん治療機器と手法が進歩する期待が高まっている。

2012年2月22日

抗がん剤治療費が安くなる新薬

抗がん剤の後発薬が続々と本格発売

抗がん剤事業を後発薬メーカー各社が本格化する。 乳がんの後発薬を日医工と沢井製薬が2012年内にも売り出す。さらに、前立腺がんの後発薬を富士製薬工業が2014年にも発売する予定。それぞれ2~3年後に年間100億円の売上高を目指す。 各社は生活習慣病の後発薬を収益源としてきたが、有力な抗がん剤の特許が今後相次ぎ切れるのを機に抗がん剤の生産・営業体制を整える。

がん患者にとっては、効果効能が同じ薬が安くなることで、治療費の低減が期待できる。

がんの転移を阻害する新薬へ

がん転移の原因物質を発見
がん転移阻害新薬の開発が期待される熊本大

がん細胞が離れた場所へ転移したり、周囲の組織へ浸潤する原因となる物質が、発見された。

米がん学会誌電子版に発表したのは、熊本大の尾池雄一教授らのグループ。がん転移の原因物質の名称は「アンジオポエチン様たんぱく質2」で、このたんぱく質の分泌を抑え、働きを阻害できれば、がんの転移は防ぐことができる とのこと。そのような性質の物質を発見することががん転移防ぐ新治療薬の開発に直結できるのだ。

ところで、このたんぱく質自体は既知の成分であり、これまでは肥満体の脂肪組織でこのたんぱく質が慢性炎症を起こし、糖尿病の原因となることが既知であった。今後はがんの転移と糖尿病予防の2つの観点から要観察の物質となるだろう。

2012年2月20日