2012年12月14日金曜日

胃がん発症する仕組を解明

胃がんを発症させる最大の原因と目されるメカニズムが解明された。

胃がんの多くの原因が胃の中に感染・増殖するピロリ菌であることは、既に研究者だけでなく、多くの一般人が知っていることだ。しかし、ピロリ菌による胃がん発症の仕組みは、これまでは不明で胃がん発症との因果関係しか解かっていなかったのだ。

新発見した研究では、ピロリ菌ががん細胞を作り続ける「がん幹細胞」に働き掛けることで胃がんを発症させているメカニズムを解明したのだ。ちなみに現在でもピロリ菌は簡単な感染検査で発見でき、錠剤の摂取のみで容易に治療が可能になっている。この新しい解明成果によって、新たな胃がんの予防法や胃がん治療、胃がん新薬の開発が前進する可能性が高まっている。

研究は慶応大のチームが米医学誌に発表した。

2012年12月7日金曜日

肺がんの早期発見が容易な新技術とは

犬には肺がん患者を嗅ぎ当てる高い能力があることが証明された。簡単な検査で肺がんを早期発見できるようになる可能性が高まっている。

昔からがん患者の側の犬が奇妙な行動を取る事例は多く、 2011年にはドイツの研究チームが実施した検証実験でも小規模ながら成果が上がっていた。

オーストリアで実施された犬による肺がん検査では、 120もの呼気検体の中から70%という高い確率で肺がん患者を嗅ぎ当てたのだ。犬による肺がん検査の最終目標は病院で犬が肺がん検査をすることではなく、犬が検知している肺がん特有の臭いを突き止めることとされている。

がんに特有の臭いが判明すれば、近い将来に電子的な臭気センサーによる簡単な肺がん検査が可能となるだろう。そうすると、肺がん検査が飛躍的に簡便になり、肺がんの早期発見早期治療が容易になることから、肺がん患者の完治率、生存率が劇的に向上するに違いない。

オーストリアの共同研究チームが5日発表した試験的研究の結果で、 肺がんの臭いからがんを判別する人工鼻は米国のMITでも研究が進められている有望ながん診断技術なのだ。

2012年12月6日木曜日

乳がん新薬で大幅に余命延長

乳がん治療の抗がん剤新薬の治験が好成績を収めている。

開発中の乳がん新薬は、開発コードの「PD-991」で呼ばれている。「PD-991」は、米国の大手製薬ファイザーが開発中の抗がん剤新薬。

PD-991は、進行性・転移性乳がんの患者を対象とした抗がん剤新薬で、その治験は第2相臨床試験が完了した。新薬の治験結果は、生存期間の著しい改善が認められたのだ。

既存の抗がん剤レトロゾール(製品名:フェマーラ)の単独投与では7.5カ月だった余命期間(無増悪生存期間)が、新薬PD-991を併用投与した結果は26.1カ月へと大幅に余命が延長されたのだ。

今後は、第3相臨床試験が開始される計画で、 乳がんの抗がん剤新薬へ大いに期待が高まっている。

2012年12月5日水曜日

がん増殖を抑える分子標的薬新薬

抗がん剤アフィニトール(一般名:エベロリムス)の新規格「アフィニトール錠2.5mg」が新発売された。

「アフィニトール」は、mTOR阻害剤という種類の分子標的薬の抗がん剤だ。

mTORとは特殊なたんぱく質で、細胞の増殖や血管の新生を促す信号が がん細胞内に入った際に情報を伝達する働きがあり、 がん細胞内にある過剰に存在している。あるの司令塔のような役割を担っている。 mTORが働くために、がん細胞が際限なく増殖するのだ。 mTOR阻害剤である「アフィニトール」は、 mTORの過剰な働きを抑制することで がん増殖を抑える分子標的薬に分類される抗がん剤新薬だ。 「アフィニトール」は、日本では初めて承認された経口のmTOR阻害する抗がん剤で、その効果効能は、がん細胞の増殖抑制と血管新生阻害とされる。

現在「アフィニトール」は、世界90か国以上で承認され、日本では乳がん、悪性リンパ腫、肝細胞がん、「消化管または肺原発の進行性神経内分泌腫瘍」を対象として治験が進められている。

アフィニトールは、2010年1月に根治切除不能または転移性の腎細胞がんの治療に対して、その効能効果が承認され、「アフィニトールR錠5mg」が既に利用されている。その後、2011年12月には膵神経内分泌腫瘍の治療に効能追加が認められていた。さらに、2012年11月21日には結節性硬化症にともなう「腎血管筋脂肪腫」 および「上衣下巨細胞性星細胞腫 」の効能追加を取得した。

新規格「アフィニトール錠2.5mg」は、治療関係者の要望から容量の加減が可能になった新薬なのだ。

2012年12月3日月曜日

がん細胞増殖の根源を治療する

がんの根治治療には、がん細胞を造り出す「がん幹細胞」を根絶する必要があることが解ってきた。しかし、これまでは、がん幹細胞を特定できるマーカーが無かったために、正常細胞の幹細胞とがん幹細胞とを区別することが不可能で、マーカーが無いことからがん幹細胞を標的とする抗がん剤も開発が困難だった。

しかし、ついに がんの幹細胞だけに反応するマーカーが特定されたのだ。

新しマーカーが発現したがん細胞を除去しても正常組織には副作用が無いことから、全く新しいがんの根治治療法の開発へ大きな前進である。

発見されたがんマーカーは、消化管幹細胞マーカーの候補遺伝子としては既知であった「Dclk1」。

マウス実験において、腸のDclk1を識別できるよう操作した結果、正常な腸ではごく少数でやがて消滅したが、がん幹細胞がある腸では、Dclk1が増え続けることが発見されたのだ。また、新がんマーカー「Dclk1」が発現しているがん細胞だけを排除する遺伝子操作をしても、正常組織への影響は無いが、がん腫瘍の大きさは縮小し5分の1になった。つまり、がん増殖の根源であるがん幹細胞を標的とした新治療法開発への最大の障害が解決されたことで、 がんを根治できる新しい抗がん剤、治療法が一気に躍進する可能性が開かれたのだ。

京都大大学院が英科学誌ネイチャー・ジェネティクスへ発表した。

2012年11月28日水曜日

最新のがん治療は1回3分でも高額な原因

注目度の高い最新がん治療の代表といえば「陽子線治療」だ。

一般的な放射線治療に使われるX線は、皮膚に近いところで放射線量がもっとも高くなり、体の深部に存在するがん病巣に対しては線量が低くなってしまう。しかし、陽子線によるがん治療では体の深いところで放射線量が高くなり、しかもがん病巣に留まる性質があるのだ。この性質によって、陽子線がん治療では、体内深部のがん患部にピンポイントで照射できるのだ。

X線による放射線がん治療が体へのダメージを与えて副作用が酷いのは、がん細胞以外の正常な細胞にも放射線を浴びせてしまうことが原因だ。陽子線がん治療ではこの副作用が劇的に低減され、がん患者体全体への負担も少なくてすむ。また、陽子線がん治療は、初期がんから末期がんまで幅広いがん患者を治療することが可能だ。ただし、がんの種類や大きさ・位置などによって効果が変わってくるため、陽子線がん治療を受ける前に綿密な診断が必要不可欠だ。

なお、食道がんには適用可能だが、 胃がんや大腸がんなど消化器系のがんは放射線を当てることで潰瘍が発生するリスクが高く、不適とされる。

陽子線がん治療の実際の治療では、病巣を狙い非常に精密なピンポイント照射ができるため、陽子線の照射前には体を固定する必要がある。陽子線の照射中に体を動かさないことが高いがん治療効果と低い副作用につながる。しかし、専用機器に横たわり陽子線を照射される実時間は、1回たったの2~3分程度だけだ。この間、痛みや痒みも殆ど感じることは無い。

そしてこの治療を週5日間、2~7週間続けるのが標準の陽子線がん治療課程となっている。したがい、基本的には入院の必要性が無い。治療期間が短いために患者の体力的な負担は非常に小さく、陽子線がん治療に合う症状と診断された場合には、治療の選択肢として十分な価値はあるだろう。

陽子線がん治療の最大の課題は高い治療費だ。患者の自己負担は、がんの種類、治療期間に関係なく約290~320万円とされる。

費用が高いのは、設備が大規模であるだけでなく、運営費用も非常に高いからだ。陽子線を発生させる治療機器だけで約50億円、運営費は電気代が月額で約1200万円必要なのだ。

陽子線治療は民間保険会社の先進医療特約の対象なのだ、もしも保険に予め加入しているなら、約300万円の治療費を自己負担することなく、 最先端のがん治療を受けることが可能となる。

遠からず公的な健康保険による治療対象となることが議論されており、がん患者からも強く望まれている。

2012年11月20日火曜日

免疫細胞でがん細胞を攻撃する新治療法が続々

がん免疫細胞治療の一種であるナチュラルキラー細胞療法(NK細胞療法)が提供開始された。

免疫細胞の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)は, 血液中に10~20%存在しており、がん細胞やウイルス感染細胞に対して、強い細胞殺傷能力がある。

がんを発症した患者はNK細胞を含めた免疫力が低下している症例が多いための、 免疫療法では、免疫細胞の数を増やしたり、免疫細胞の活性度を上げたりすることで がん細胞の低減を計る治療法として多様な手法が試みられている。

今回に提供が開始された新治療法では、 NK細胞の新しい培養技術を開発したことで、 10億個~100億個という大量のNK細胞の投与が可能になった。

これまでは、NK細胞を短期間では大量に増殖できなかったが、新しい培養技術によれば安全なNK細胞を2週間で最大2000倍まで増殖できる。増殖された免疫細胞であるNK細胞を大量に体内へ戻すことからNK細胞療法と呼ばれるのだ。

各種の免疫細胞療法は、副作用の無い究極のがん治療法として注目を集めており、 NK細胞療法だけでなく、樹状細胞ワクチン療法やCTL(免疫細胞)療法、さらにはサプリメント療法や温熱療法と多岐に渡っている。

複数の免疫細胞療法を併用することで、さらにがん治療効果を高めることが期待できるのだ。